~アリスルート エピローグ~

N.A.の森,アリス=アントワネットの亡骸の前に一人の少女が立っていた.

 

「せっかく口封じに来たのに先に殺されちゃうなんてね,無駄足だった」

 

短く切られたセーラー服のスカートが風になびくと,太腿のあたりに仕組まれたグロッグが光沢を放つ.

 

「なんでそんなことするのって?だって燃料タンクが壊されたら,衝撃で洗脳が解けちゃうじゃない.きっと秘密の事も喋っちゃうわ.」

 

何も喋らない,何の返答もしない相手に少女は一人で語り掛けていて.

 

「まぁでも,何も喋って無いみたいだし,良かったわ.」

 

彼女はゆっくりと立ち上がり,亡骸に背を向ける.栗色の髪とセーラー服を風になびかせながら進む少女の顔は……

 

Lindberghにそっくりだろう.